トレッキングは決してメジャーなアクティビティではない。休日は山に登っています、というと珍妙なものを見る目で見られることも少なくない。
そのため、「トレッキングを始めたけど、初心者でも楽しめる山がどこなのか分からない…」「山に行きたいけど、仲間があんまりいない…」「友人や彼女をなんとかトレッキング沼に落としたい…」
そうお悩みの方も多いと思う。
ということで今回は、トレッキング初心者が沼にハマるように、梅雨明けから行くべきトレッキングコースを5つ紹介する。
どの山も素晴らしいので、5つをクリアした頃にはすっかりトレッキングの魅力に虜になっていることだろう。
選んだ基準
- それぞれの山で別な楽しみがある
- コースタイムが長くない
- 難所がない
- ロープウェイなどを利用して、面白いところから登り始められる
- トレッキングに行けなくなった時のリカバリーが効く
霧ヶ峰:梅雨明け〜7月末
天然エアコン、霧ヶ峰。高原ハイクは梅雨明けに行くスポットとしては最高だ。
山に登り慣れた人にとっては、もはや登山とは感じられないかもしれない。それぐらいの気軽さが初心者にはちょうどいい。
ロープウェイを使えばなんと最短1時間ほどで山頂を往復できる。とはいうものの、それでは流石に味気ない。
私のおすすめは「車山肩駐車場」に車を停め、山頂にそのまま向かうのではなく車山湿原に向かい、くるっと一周回るコース。これでだいたい2時間くらい。

山から下りてきたら駐車場の近くに「ゆるキャン△」にも出てきた「ころぼっくるひゅって」があるので、「金はあるんや…」とボルシチを食べるのが良いだろう。

霧ヶ峰周辺は「ビーナスライン」というドライブコースにもなっており、諏訪湖で観光を楽しむこともできる。
木曽駒ヶ岳:8月
初心者が行ける3,000m級、木曽駒ヶ岳。
もはや登らなくてもよくて、正直千畳敷カールを見にいってくれればそれでいいのだが、せっかくなので山頂まで登ってみよう。
往復4時間くらいで登ることができ、標高差はわずか300m。高尾山の登山口から山頂までの標高差が400mなので、それよりも標高差がない。
しんどいのは千畳敷カールを登っていくところだけ。それを過ぎてしまえば、岩々とした山容と広がる雲海という3,000m級の高山ならではの景色に変わり、特段の難所もなく山頂に到達できる。


標高が高く、ロープウェイで一気に標高を稼ぐので体調の変化が起きやすいこと、高山なので天候が変化しやすいことには注意。

また、宝剣岳山頂へは危険箇所が多く、手を滑らせると谷底に真っ逆さまで即死するポイントもあるので行かないこと。行くなら必ず岩場の経験を積んでから、自己責任で。
麓は駒ヶ根なのでソースカツ丼を食べるもよし、キャンプを楽しむも良し。

日光白根山:9月末〜10月上旬
日本百名山の関東最高峰。
5時間ほどのコースの中で、樹林帯から森林限界を抜けてダイナミックな風景に変わるため、飽きが来ないトレッキングが楽しめ、まさに名峰。

9月末から10月上旬くらいに行くと、涼しい気候の中を紅葉とともに歩くことができる。

ここも2,000m地点までロープウェイで登ることができ、ロープウェイ駅からの景色は白根山がそびえ立つ山側、日光の景色が広がる麓側どちらも素晴らしい。

しかもこの2,000m地点にはなんと「天空の足湯」という足湯がある。
日光にあるので、1泊して日光観光も合わせて楽しむのももちろん良い。
周辺には「日光湯本キャンプ場」「菅沼キャンプ場」「菖蒲ヶ浜キャンプ場」などのキャンプ場もあり、キャンプ&登山を楽しむことも可能だ。
金時山:10月中旬〜11月上旬
富士山が見える、箱根の定番トレッキングコースの1つ。
電車とバスでのアクセスができ、10月後半ごろからの紅葉も素晴らしい。コースタイムも3〜4時間ほどとお手軽。


金太郎伝説のある山で、山頂にはなんと斧が置いてある。斧を持って記念撮影をするのが鉄板。山頂では名物のうどんを楽しむことができるのも良い。


箱根湯本駅からバスで行くため、帰りには箱根の温泉街を楽しむこともできる。ちなみに箱根湯本駅前には「箱根湯寮」という日帰り温泉&サウナの名スポットがある。
奥高尾縦走路:11月
いくつか山を登り慣れてちょっと体力もついてきた頃、高山には季節的にも行けなくなってくる晩秋にぜひおすすめしたいのがこの奥高尾縦走路。
高尾山から神奈川の陣馬山までをつなぐ約6時間ほどのコース。
時間的には長く聞こえるが、難所もなくアップダウンもそこまで激しくないため、ここまでのコースを歩ける人ならむしろ余裕な説まである。
山頂を繋いで歩いて行くため、山頂に登る達成感が何度も味わえるのは縦走ならではの楽しみ。

紅葉が非常に美しく、晩秋で空気も澄んでくるため富士山を見られる確率も高い。


各山小屋で色々な食事を楽しむことができるため、昼食を持っていかずに荷物を軽量化するという選択が取れるのもポイントが高い。
今さら高尾山か…と思わずに行って欲しいコースである。
必要な装備
これらのトレッキングに行くのであれば、高い装備は必要ではないがそれなりの装備が必要になるので、目安となる装備一式を書いておきたいと思う。
もし一緒に行く人が持っていなければ、自分の物を貸してあげるか購入を検討するとより安全で楽しいトレッキングになることは言うまでもない。
ザック:25L前後の登山用ザック。腰紐はあった方がいいけど、なくてもいいと思う。
靴:底がある程度しっかりしている、ローカットまたはミドルカットのトレッキングシューズ。コロンビアの「セイバー4ロウ」やCaravanの「C1_02S」あたりがコスパが高い。
雨具:登山用のエントリークラスの雨具があればいいと思う。おすすめはやっぱりMIZUNOのベルグテック。あとはmont-bellのサンダーパスあたり。

防寒着:ユニクロのフリースでOK。もし登山用を買うならmont-bellのクリマプラス100あたりがよい。


行動着:化繊のTシャツなら、フェスTでも山Tでもなんでもいい。お気に入りのTシャツを着て行くとテンションが上がる。日焼けが気になるのであればアームカバーを足すとよい。
パンツ:こちらもジーンズなどでなければ大丈夫。個人的にはmont-bellの「コンバーチブルパンツ」とユニクロの「エアリズムタイツ」が最も高コスパではないかと思う。



まとめ
今回はトレッキング初心者を沼に落とすためのトレッキングコース5選を紹介した。
登山だけを目的にして出かけるのではなく、観光や旅行の中の1つのイベントとしてトレッキングを組み込んでいるイメージだ。
この距離感であればトレッキング初心者でもとっつきやすく、その楽しさに気づけるのではないだろうか。
ぜひ梅雨明けからトレッキングに出かけてみて欲しい。
コメント