ベーシストにとって、変態とは褒め言葉である。
シンプルにベースを弾いていればいいはずなのに、なぜか他のメンバーと違う動きをしてしまうベーシスト。あまりに変な人が多いので「ベーシストは変態」という認識さえ根付いてしまった。
しかし思い返してみれば、私がいたバンドサークルにいたベーシストも変態まみれだった気がする。
大学や会社を辞めた!と言い出したり、突如としてYoutubeでゲーム実況を始めたりし出すのは大体ベーシストだった。
ステージ上でアホみたいな暴れ方をするのも大体ベーシスト。シンプルに跳ね回ってるだけではなく、歯でベースを弾こうとしたり、いきものがかりのコピバンなのにステージ上でヘドバンしまくっている変態もいた。
やはり変態を敬愛している人たちは変態なんだなと悟った瞬間である。
この記事では、自分自身もベースをやっていた経験から「あ、やっぱこの人変態なんだな」と思った変態ベーシストの一部を邦ロックを中心に紹介していく。
違うバンドの人ですよね?
・たなしん(元グッドモーニングアメリカ)
1人だけ別のバンドの人混ざってますよね?完全にベーシストじゃなくてYoutuberの人と化した。こんな見た目でフレーズはシンプルにかっこいい系なのがよかったりする。
名前も変態、ベーシスト
・長谷川カオナシ
「尾崎世界観」の裏に隠れがちだが、冷静に考えれば十分「カオナシ」も浮いている。ジブリかよ。ちなみにメンバーにはこの名前を止められたらしいが、頑なにこの名前にこだわったらしい。
プレイングは非常に渋く、曲に欲しい、おいしいところだけしっかりフレーズが動いている。バンドでベースをやると退屈になってフレーズを動かしたりしたくなるのだが、それをしないあたりがマジで職人。コーラスワークがめっちゃうまい。
・長谷川プリティ敬祐(go!go!vanillas)
蝶ネクタイがトレードマーク。「プリティ」のインパクトが強すぎて長谷川も敬祐も入ってこねえ。交通事故で意識不明状態から生き返ったフェニックス。マジで帰って来てよかった。
フレージングは超ハッピーな感じ。登ったり降ったりするフレーズや16分音符をねじ込んだフレーズ、オクターブ奏法など聴いているだけで踊りたくなってしまう。絶対弾いてて楽しいだろこれ。
・345(凛として時雨)
もはや数字になってしまった。ゴリッゴリに歪んだぶっといベースの音と、ボーカルに負けないハイトーンボイスが中高生のハートを射抜いたことは言うまでもない。こんなかっこいい歪み作れるんだな…と思った記憶がある。個人的には「a 7days wonder」という曲のリフが中毒性があって好き。
ステージ上で暴れ回るベーシスト
・田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)
暴れ回るベーシストの代表。スタジオで暴れ回った挙句、白目を剥きながらベースを弾く様子が地上波で放映されたのを覚えている方も多いかもしれない。そのステージングはライブでも変わらず、ライブ中にベースをボーカルの頭にぶつけて流血させたという伝説がある。
ちなみにベースのフレーズも普通ではなく、音数が異常な上に動き回るため気軽にコピーしようと思うと痛い目を見ることが多い。なんでライブであの動きしながらあの音が出てるんだよ。バンドでの作詞・作曲も担当しており、アニメ作詞界の生きる伝説畑亜紀氏と「Q-MHz」という音楽プロデュース集団もやっていたりするなど多彩。
・あきらかにあきら(THE ORAL CIGARETTES)
いや、名前もおかしいんだけどさ。足の動き方が異常で、足を大きく振り上げる等どうなっているのか分からない動きをする。ライブでツーステップを踏みながらベースを弾いているのを見て「そんなことできんのか…」と思った記憶がある。ストラップも超短い。どうなってんだよそれ。ぜってえ落ちるだろ、と思うのだが落ちない謎。
・中村和彦(9mm Parabellum Bullet)
ステージで暴れ回るだけでなく、どこから出ているのか分からない声で叫ぶ。このシャウトが始まったのは「ライブ中に高まる気持ちが抑えられなくてやってしまった」かららしい。エピソードが完全に狂気。しかも本人以外なんと叫んでいるのか知らないらしい。
滲み出る狂気
・junko(打首獄門同好会)
なんと還暦越え。動きと格好、言動が若すぎる。しばらくの間メンバーにすら年齢を黙っていたという逸話がある。しかもベースのストラップが鎖。5弦ベースでそれはぜってえ重い。
・ミト(クラムボン)
天才。クラムボンの本体。クラムボンの曲だけではなくアニメの主題歌を書いたりしており、OPがいい曲だな〜と思うと「作詞・作曲 ミト(クラムボン)」と出てきて「ファッ!?」となることがたまによくある。ゆるふわ雰囲気バンドだと思ってライブを見に行ったら、暴れまわっているミトにびびった。
それギターですよね?
・日向秀和(ストレイテナー、Nothing’s Carved In Stoneなど)
フレーズと音作りが完全にベースではない何か。ひなっちのベースを聴いてオートワウを買ったベーシストが少なからずいると思う。ニコニコしながら暴れ回る姿が最高。一時期髪の毛がピンクだった時期がある。
・武田祐介(RADWIMPS)
6弦の使い手なので実質ギタリスト。むしろ4弦ベースをほとんど持っていないらしい。7弦ベースを買おうとしてメンバーに止められたという噂がある。ベースのフレージングもちゃんとおかしくて、嬉々としてコピーしようとすると弾けなくて悲しくなる。数多の初心者を殺してきた。
バンドでスキャンダルを起こすのも大体ベーシスト
一ファンとしては悲しかったりするのだが、バンドでやっちゃうのも大体ベーシスト。そして悲しい一方で「まぁ、ベーシストだからなあ…」と腑に落ちてしまうのがなんとも言えないところである。
・山口メンバー(元TOKIO)
やっぱり一番有名なのはこの人だろう。流石に帰ってこれなくなってしまって悲しい。TOKIO好きだったんだが。すまん、動画は公式MVがYoutubeになかった。
・直井由文(BUMP OF CHICKEN)
私が個人的に最も敬愛するベーシスト。活動休止のニュースを見たときに、実は「なんか、まあ、そうだよな…」って感じてしまったのは私だけではないはず。早く帰ってこれるようになってほしい。他のメンバーがもの静かにプレイする中で一人笑顔でステージを跳ね回る。ここ数年はフレージングがかなり大人になったのだが、初期のフレーズは完全にギター。
・鈴木淳(the pillows元サポート)
永遠のサポートベーシスト。だと思っていたら突如pillowsをクビになる。あ、そういうことなのね。と思ってしまった瞬間である。そういうことかは知らないが。シンプルながらキャッチーなリフが多い。個人的にこういうベースが一番弾いてて楽しい。
・飯田(めしだ)祐馬(元KANA-BOON)
突然いなくなってしまった。もはや調べるとよくない話で検索結果が埋まってしまい悲しいのだが、ベーシストとしてはかっこいい。シンプルでぶっといベースの音が潔い。
・Kenken(RIZEなど)
ベースヒーロー。UNOのCMが記憶に残っている方も多いかもしれない。捕まった時に「あっ、やっぱそうだよね。」としかならなかった。
日本のバンドマンじゃないけど、最後にどうしても紹介させてくれ。
・H.J.Freaks
韓国の変態ベーシスト。うまいとかそんなもんじゃない。まさに変態。Youtuberという概念が存在する前、なんと2006年から、美少女コスプレをしてパンチラしながらアニソンのコピーをする動画を上げ続ける正真正銘の変態。15年越しで銀の盾をもらうことに成功した。この人のチャンネルでは世界一価値のある、おっさんのパンチラ動画が見られるぞ。
NO HENTAI, NO BASSIST
正直まだ紹介しきれていないベーシストもいるほど、世の中には変態ベーシストが溢れている。
是非あなただけの変態ベーシストを見つけてくれ。
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