私が大ハマりしたボードゲーム「ドミニオン」は使うカードが毎回変わることによる戦略性の多様さが売りではあるのだが、ある程度戦略というものも存在する。
今回はそんな中でも最重要にして最序盤に行わなければならない「圧縮」という戦略について解説したいと思う。
圧縮ができるようになると、このゲームの面白さが格段に跳ね上がる。
圧縮の効果
ドミニオンは兎にも角にも圧縮ゲーである。
いらないカードを自分のデッキから除外していき、デッキの密度を高めていくことで使いたいカードを引ける可能性が上がり、次の行動が強くなる。
屋敷や不要な銅貨を早々にデッキから排除してしまうことができれば、相手が銀貨や3コストのアクションをちまちま買っているのを横目に、毎ターン5コストや6コストのカードを買うことができるようになる。
序盤でこの差がつくと、相手が属州を買えるころには自分は既に属州を何枚か持っていて、埋まらない差ができていることも多い。
そんなわけで、圧縮ができるカードを押さえておくのは非常に重要だと言える。
まずは「ドミニオン:基本 第2版」に入っている圧縮カードを紹介しよう。
基本 第2版に入っている圧縮カード
- 礼拝堂
- 改築
- 金貸し
- 鉱山
- 衛兵
以上の5種類である。
改築や鉱山は圧縮系に含めないこともあるらしいが、当サイトでは圧縮系の一部として含めることにする。
各カードの説明と使い方を順に説明していこう。
最強の圧縮カード:礼拝堂(おすすめ度:★★★★★)
コスト:2
効果:あなたの手札から最大4枚までのカードを、廃棄する。

文句なしで最強の圧縮カード。
このカードがあれば、初手か2ターン目に購入するのがほぼ必須の選択。
その圧倒的な圧縮力ゆえに、1枚入っていれば十分仕事をしてくれるカード。
2枚以上入っているとむしろ腐ることが多い。
使った礼拝堂そのものは廃棄できないので、終盤はあまり出番がない。
最序盤に購入し、ひとしきり初期デッキのカードを廃棄し終わったら他の圧縮系カードで廃棄してしまうのが吉。
「礼拝堂を使って手札を4枚廃棄します」と言う瞬間は最高に気持ちいい。
ただし、最序盤に銅貨を捨てすぎて金量が足りなくなり、結局銅貨を買い直す羽目になることだけは避けること。総トータルの金量は把握しておかないといけない。
金貨を属州にできる圧縮カード:改築(おすすめ度:★★★☆☆)
コスト:4
あなたの手札のカード1枚を廃棄する。廃棄したカードよりコストが最大2多いカード1枚を獲得する。

他の3種類のカードに比べると、1枚しか廃棄できなかったり+2金分しかアップグレードできなかったりと圧縮・強化効果は控えめ。
その分汎用性は高く、序盤に屋敷を4コストのアクションカードに変えたり、終盤に金貨を属州にしたりと意外と腐らないカードではある。
そのため他の圧縮系カードとは異なり、途中で買い足すことも多い。
改築と金貨を買い貯めて、金貨を改築 or 9金で属州を安定的に取っていくプレイは堅実ながら意外と強く、私は好んでこのプレイスタイルを取ることが多い。
このプレイスタイルの時には属州を廃棄して属州を獲得することで、サプライ(場)の属州を枯らすムーブを取ることもできる。
序盤の有能な資金源+圧縮カード:金貸し(おすすめ度:★★★★☆)
コスト:4
手札の財宝カードを1枚廃棄してもよい。
廃棄したカードのコストに3コインを加えたコストまでのコストを持つ財宝カードを1枚獲得し、手札に加える。

序盤の超優秀な圧縮+資金源。これも場にあれば初手 or 2ターン目に購入して損のないカード。
買うなら最序盤。手元に銅貨がないと意味がないので、銅貨のデッキ内密度が下がってくる中〜後半にはいらないカードになることが多い。
最序盤に購入すると金貸しが手札に来るだけで安定して4〜6金が出るので、序盤から高コストのアクションカードや金貨の購入が可能になり、ムーブが安定して強くなる。
銅貨を銀貨に、銀貨を金貨に:鉱山(おすすめ度:★★☆☆☆)
コスト:5
手札の財宝カードを1枚廃棄してもよい。廃棄したカードのコストに3コインを加えたコストまでのコストを持つ財宝カードを1枚獲得し、手札に加える。

手札の銅貨を銀貨に、銀貨を金貨に変えるカード。改築と違って財宝カードしかアップグレードできないが、このカードを使ったターンに獲得したカードが使えるのがメリット。
とはいえアクション権を使って+1金しか得られていないので、それほど強いかと言われると微妙。圧縮戦略そのものが強いので、他に圧縮カードがなければ取って損はない。とはいえ5コストと高いので、序盤に取りに行けなかったりもするのだが…
取るタイミングはやはり最序盤で、デッキを回して何度も鉱山を使い回してデッキの金量を高めていかないと効果が薄い。
正直コスパがそれほど高いカードではないと思う。
山札の上2枚を好きなようにできる:衛兵(おすすめ度:★★★★★)
コスト:5
+1カードを引く
+1アクション
デッキの上から2枚のカードを見て、その中から好きな枚数を廃棄し、好きな枚数を捨て札にする。残ったカードを好きな順番でデッキに戻す。

手札とアクション権を減らさずに、山札の上2枚を好きなようにできるカード。
場にあれば複数枚デッキに入れておいてまず損はない。
私はこのカードが場にあれば、まずこのカードを取るためにはどうすればいいかを考えている。
圧縮力はそれなりだが、手札もアクション権も減らさずに圧縮ができるのが魅力。
終盤には属州を捨て札送りにすることで手札事故を防ぐことができるなど、序盤〜終盤まで使えて非常に汎用性が高い。
また山札の上をコントロールできるのも実はメリットで、アクション権を切らさずにコンボを繋げていくことが可能。
特に、衛兵→家臣(山札の一番上のアクションカードを使うカード)のコンボで家臣の効果を安定して使うのは非常に強力。
その中でも「衛兵・家臣・祝祭」だけで作り上げた、山札の上を操作しながら仮想通貨で買い進めるデッキは非常に強く、簡単に2枚ずつ属州を取ることができるようになる。
まとめ
圧縮をすることでデッキの回転率が高まり、欲しいカードが手元に来る確率が上がる。
欲しいカードが手元に来る確率が上がれば次の行動も強くなるので、圧縮できるカードが場にあればまずデッキを圧縮することから始めると良い。
圧縮ができるかできないかでデッキの安定度は大きく変わるので、ぜひ一度試してみてほしい。
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