ASQ (Alternative State Quarantine)。このコロナ禍により、以前のように国内外への自由な行き来はできなくなってしまった。
しかしながら一定期間の隔離を条件に入国を認めている国も多く、タイも例外ではない。
とはいえその隔離中の生活については不透明な点が多く、これから隔離生活を受けられる方は不安も多いことだと思う。
そこで、私の隔離生活をまとめてみたいと思う。隔離生活の実際を知る1つの材料になれば幸いである。
タイの隔離
2021年5月時点で、タイでの隔離は14日間(2021年5月時点)。
私も勘違いしていたのだが、実際には「丸14日間」を隔離で過ごすことになるため、ホテルで過ごすのは実際には15泊16日となる。その間、ホテル棟内から出ることは一切できない。
期間についてはワクチン接種をしていれば期間が短くなったりするという話も出ているものの、タイや日本国内の感染状況が悪化するとすぐに撤回されてしまう。そのため、現状では15泊16日となっている。
この隔離中に2回のPCR検査を受け、2回とも陰性であれば晴れて隔離生活から解放されることとなる。
空港に着いたら
スワンナプーム空港に着くと、入国審査の前に入国者の健康チェックが行われる。

順にスタッフに連れられて入国審査へと向かう。他の場所に向かうことは許されない。
入国審査を終えて空港から出ると、そこには完全防護のスタッフが。

スタッフの指示のもと隔離ホテルごとに入国者が分けられ、それぞれのバンに乗り込んでホテルへと向かうことになる。
しばらくの間同じ景色しか見られない生活が続くので、空港からホテルに着くまでの約1時間はしっかり外の様子を目に焼き付けておこう。

ホテルに収容
ホテルに着いたら、早速検温などにより健康状態をチェックされる。
7日後と12日後の2回検査を受けることを説明され、完全防備のスタッフに客室へと連行される。
ここから2週間の戦いの幕開けである。

ここより先は、COSTEというアプリで毎日健康状態を報告することになる。
また、私が宿泊したホテルではスタッフとのやり取りをLINEで行い、飲料水などがなくなれば都度注文する方式となっていた。
食事
食事は客室の前にテーブルが設置され、食事が運ばれてくるとインターホンで知らせてもらえる。
取りに行くためにドアを開けると既にスタッフの姿はなく、完全な隔離であることを実感するタイミングでもある。
食事内容はホテルによるので、和食が欠かせない方は予約前にホテルに確認することを強くおすすめする。
私が宿泊したホテルは、併設のカフェからデリバリーされるスタイルだった。
メニューはイングリッシュ&タイメニューが中心だったが総じて美味しく、毎回の食事を本当に楽しみにしていた。
メニューはこんな感じ。





どれもおいしかったのだが、和食党には少々厳しいかもしれない。
私は食事スタイルにこだわりがなく、これは本当に良かったと思う。和食中心でないといけない感性だと地獄を見ていただろう。
外部からの差し入れ
隔離生活では、なんと外部からの差し入れをもらうことも可能。
私は液体で持ち込めなかった洗剤とコンディショナーをお願いした。差し入れしてくれた方には本当に感謝である。
私は利用しなかったが、デパートからのデリバリーも可能である。タイはデリバリー費用が安いので、試してみてもよいかもしれない。
運命のPCR検査(1回目)
やはり緊張するのはこの瞬間である。
前日の夜にホテルのスタッフからLINEで連絡を受ける。
指定時刻にスタッフが迎えに来て、サンプル採取用の別室に連れられる。
当然サンプルは唾液ではなく、鼻と喉の奥から綿棒で採取される。幸運にも担当スタッフのサンプル採取が非常にうまく、痛い思いをせずとも済んだ。
翌日には結果が分かり、電話にて連絡を受ける。陰性とのことだ。
もう一度検査を控えているので安心はできないが、やはり陰性という結果を聞くと嬉しく思う。
この検査結果についてはこちらから聞かないと教えてもらえないホテルもあるようなので、連絡がもらえない場合はホテルスタッフに確認すると良い。
ルームクリーニング
1回目の陰性の連絡があると、待望のルームクリーニングに入ってもらうことができる。
ルームクリーニング中は別室で待機となるので、スタッフの呼び出しを受けたら誘導に従って別室に移動する。窓から見える風景が変わるので、それが気分転換にもなる。
待機中はやることがないので、本などを持っていくのが良いと思う。
45分間の幸せ
これはホテルにもよるが、陰性の連絡を受けると、ホテルに設置された屋外施設を1日45分間だけ使うことができるようになる。使用前日にホテルのスタッフに連絡を入れると、翌日時間になったら呼びに来てくれるシステムだ。
パラソルと机と椅子だけの非常に簡素なスペースであったが、あるのとないのとでは大違いである。

丸1週間を窓も開かない部屋の中で過ごすと、太陽のありがたみがよく分かる。
45分経つとお声がかかり、部屋の中へと戻ることになる。
運命の検査(2回目)
12日が過ぎると、最後のPCR検査を受ける。
この結果が陰性ならば晴れて解放である。
渡航時・隔離7日後と2回の検査をクリアしてきているので、あとは今までの自分を信じて陰性であることを祈って平常心で待つばかりだ。
陰性の連絡と解放の時
翌日、陰性の連絡を受ける。
この瞬間は本当にほっと胸を撫で下ろす想いである。
連絡の翌日にチェックアウトとなるので、何時にチェックアウトを行うか・その後どこに向かうかなどをホテルスタッフに連絡しておく。
隔離生活を支えてくれたスタッフに感謝しつつ、2週間を戦い抜いた自分を褒めよう。
ホテル予約の際の注意点
予約の際に気をつけておくと良いポイントは以下の通り。
- 予算(15泊なので結構な値段になる)
- 食事内容(日本食が選べるホテルは少なく、価格も高め)
- Wi-fiが使えるか(携帯の契約等もできないので、ホテルのWi-fiが唯一の外界との連絡手段になる)
- ある程度の広さ(あまりに狭すぎると部屋の中で体を動かすこともできずに地獄を見る)
持っていくと良いもの
私の隔離生活の質を高めてくれたアイテムをいくつか紹介したい。
- 長袖&長ズボンのジャージ(ホテルには部屋着がない or あっても1日を過ごせるほどのものではないため、リラックスできる服装は非常に重要)
- Kindleなどの電子書籍(読みたかった本がめいっぱい読める)
- Nintendo Switch(ゲームをするということ以上に、テレビにつないで大画面でYoutubeが見られるというのが大きなメリット。)
まとめ
2週間の隔離は、このコロナ禍にあってもなかなかできる経験ではない。
もちろん100%楽しい経験ではないが、せっかく隔離生活をするのであればその生活を楽しんでみるのもまた一興だと個人的には思う。
しっかりとまとまった自分の時間を取れるよい機会なので、色々なことにチャレンジすることも可能だ。
私のこの体験が、タイへ渡航される方への参考になれば幸いである。
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